定年後の生活への「漠然とした不安感」とは何なのかを考える

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漠然とした不安感とは一体何なのか?

 「あと数年で定年だ」と考えると、なんとなく胸がザワザワする――50代の現役会社員にとって、定年後の生活を具体的に想像するのは簡単なことではありません。これまでのキャリアで積み上げてきたものが区切りを迎えると考えると、自然と「この先どうなるんだろう?」という漠然とした不安が心をよぎります。「定年後」という未知の新しい毎日に馴染めるのか、経済的に安心できるのか、健康的なままでいられるのか。ここでは、この不安の正体を具体的に掘り下げて、心の整理をしていきたいと思います。心の整理を定年までの間にしっかりと準備していくことで「不安感」を「安心感」に変えていくことができます。
 それでは、定年が近づくにつれ徐々に増してくる「漠然とした不安感」とは一体何なのでしょうか?「漠然とした不安感」とは、具体的な原因や対象がはっきりしない状態で感じる不安のことを言います。私たち現役の50代会社員が定年後の生活にいだく「漠然とした不安感」とはつまりは、「定年後の生活に対する不確実な未来への不安」ということかと思います。
 忙しくも安定感のある現在からは、定年後の日常がどのようになるのか全くイメージすることができない。具体的なイメージが持てないと具体的な対策を立てることができない。この関係が定年後の日常に対する「漠然とした不安感」の原因となっていると考えます。一方で視点を変えて見てみると50代の現役会社員のみなさんが「漠然とした不安感」を感じているということは、今から定年後の「不確実な未来」が何なのかを具体的に整理し、少しずつ対策を立てていくことで「確実な未来」へ。つまりは、「不安感」から「安心感」へと前向きに置き換えていくことができるということになります。漠然とした不安感を感じているということは、課題認識を持っているということです。課題認識があれば現役会社員のみなさんであれば解決策は必ず見つけることができます。時間はたくさんあります。しっかりと準備していきましょう。

「収入不安」

 1つ目の不安は、経済的な不安です。分かりやすく言うと収入不安ですね。この不安はイメージしやすいと思います。年金はいくらもらえるか。年金受給までの無収入の期間をどうしていくか、年金はいつから受給するべきか。さらに、定年後の支出はいくらになるのか。現役時代には発生しないような見えない支出はどのようなものがあるのか。
それら支出は年金収入で賄うことができるのか。イメージしやすい不安だけに色々と出てきます。
今から定年後の収入をどう手当するのか、支出は何にいくらかかるのか等を今からしっかりと整理していきましょう。

「健康不安」

 2つ目の不安は、健康面の不安です。現役会社員時代は、まだまだ若さや体力があり健康維持が比較的容易だった一方で、定年後は加齢に伴う体力の低下や病気へのリスクが増し、自らの健康に対する不安が強まっていきます。また、会社という組織を離れることにより自分の居場所がなくなるという不安感からメンタル面の不調も懸念されます。若さ満ち溢れた年代であれば多少の無理もすぐにリカバリーが効きますが、定年を迎える頃にはそうは行きません。健康不安は、現役時代からの毎日の積み重ねで払拭していきましょう。

「役割喪失不安」

 3つ目の不安は、他人から頼られることがなくなる(少なくなる)不安です。表現をどうするか悩みましたが、役割喪失不安としました。会社員時代は、毎日決められた時間に会社に出社し予定されている色々な会議に参加し、部下からの報告や相談を受ける。「毎日、忙しいなぁ。」と心の中で呟きながらも他人から頼られていることの充足感をひしひしと感じている。また、毎日会社に出社することで自分の居場所を確保している。これら当たり前の毎日が定年退職を境に瞬間になくなる。会社や仕事という関係の中で得られるこれら役割や居場所と同等のことを定年後に得ることは非常に高いハードルとなります。私もこの点を非常に不安に感じています。だからといって、定年延長して会社で働き続けるということではありません。定年退職を前向きに捉え現役の今から準備していくことが目的ですので、定年後の自分の役割や居場所を今からじっくりと時間をかけて前向きに探していけば良いと思います。

まとめ


50代の現役会社員が感じる定年後生活への「漠然とした不安感」とは一体何なのかを現役会社員と定年後の生活を比較して、具体的に整理してみました。誰もが迎える定年後の生活を今からしっかりとイメージし、必要な準備を整えていくことで、「不確実な未来」を「確実な未来」に前向きに変えていくことができます。本ブログでは、ここで整理した3つの不安を軸にそれぞれの解決策をまとめていきたいと思います。

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