今回ご紹介する書籍は、私たちの漠然とした不安感の一つである「役割喪失不安」を解決してくれる1冊です。
書籍概要
著者:長倉 顕太
出版社:すばる舎
発売日:2024年4月23日
ページ数:214ページ
◾️「考えてばかりで動けない」「自分の時間が欲しい」といった「~できない」「~したい」系の誰もが持っている悩みや課題を移動し環境を変えることで解決を目指すという斬新な発想の本
◾️自身を移動体質に変える30のアクションプランが提案されており人生を変えるために「移動する」という高めのハードルを引き下げてくれる
感想
家を構え「定住」することは、会社勤めをしている私たち会社員に限らず多くの人たちにとって至極当然のことです。「定住」することで定住地で生活基盤を構築。生活基盤を構築することで有形無形の「安心感」や「幸福感」を得られています。本書を読了するまでは、私自身もこのことについて全く意識することはありませんでした。
一方で、齢を重ねていくにつれ自身の中に「安心感」や「幸福感」とは真逆の「不安感」や「ストレス」が増してくるのも事実です。定年退職までのカウントダウンが始まっている私たち50代会社員の「不安感」や「ストレス」は20代の頃よりも相対的に大きなものとなっています。これら「不安感」や「ストレス」は、自分自身に求められる役割の変化や社会情勢の変化等によってもたらされていると考えます。
人間は風邪をひくと発熱します。発熱は、体の中に入ってきたウィルスを排除するための自己治癒力です。
風邪をひいたときの発熱と同じように「不安感」や「ストレス」を払しょくするための自己治癒力を本書では「移動すること」に求めていると本書を読了して自分なりに感じました。
冒頭の本書概要で「斬新な発想の本」とコメントしたのはこの点です。
筆者は、本書の中で
・「人生に重要なのは「選択肢増やす」ということ」であり「会社員がイライラするのは選択肢がないから」
・「(移動して)場所を変えると、人は考えるようになり、感じるようになる」
・「引っ越すことで、~中略~過去のルール~中略~が通用しない人生に入っていくこととなり、サバイバル能力が目覚める」
・「移動することで人生が変わっていく」
・「凡人は”意思”ではなく「環境」で人生を変えるしかない」
と読者に伝えています。
筆者の伝えたいことをまとめると「移動することでルールが通用しない環境に自らをさらす。その結果、(内面における)サバイバル能力を覚醒させ人生を変えることができる。」ということになります。
筆者の主張する人生を変えるためには移動(究極は引っ越す。仕事を辞める)が非常に重要であるということは頭では理解できます。しかしながら、実際に行動に移す決断ができません。鶏と卵の関係ですが、これは移動していないが故に移動する決断ができないということになりますね。
定年退職カウントダウン期間中の50代会社員にとって、定年退職後は定年前と比べ環境は激変することは容易に想像できます。その環境変化に備えるためにも人生を変えることのできる「(内面における)サバイバル能力」は是非とも身につけておきたい能力であります。
本書の後半には、私のように移動の重要性は理解できたが、移動の決断ができない読者に対して「移動体質をつくる30のアクションプラン」をまとめてくれています。30個のプランの項目を紹介します。
・(プラン1)「「即レス」「即イエス」「即報告」を心がける」
・(プラン2)「率先して人を紹介する」
・(プラン3)「年下の知人を積極的につくる」
・(プラン4)「著者に会いに、書店イベントに行く」
・(プラン5)「コミュニケーションコストが低い人になる」
・(プラン6)「効率ばかりを重視しない」
・(プラン7)「記憶に残る人になる」
・(プラン8)「通勤経路を変える」★
・(プラン9)「1泊の海外旅行に行く」★
・(プラン10)「年4回は海外へ、年4回は国内へ」★
・(プラン11)「月1回はホテルに泊まる」★
・(プラン12)「海外在住の日本人と関わる」
・(プラン13)「嫌いなことにもチャレンジする」
・(プラン14)「役立たないものに触れる」
・(プラン15)「ユーチューブは観ない」
・(プラン16)「1日10分は生成AIに触れる」
・(プラン17)「ロードムービーを観る」
・(プラン18)「1日1冊読書する」
・(プラン19)「洋楽か、歌詞のない音楽を聴く」
・(プラン20)「海外の情報をインプットする」
・(プラン21)「海外投資を始めてみる」
・(プラン22)「外貨を稼ぐ」
・(プラン23)「子供を連れて海外の大学に見学に行く」★
・(プラン24)「社会貢献をしてみる」
・(プラン25)「国に頼らずに生きる意識を持つ」
・(プラン26)「悩まない。迷わない」
・(プラン27)「反省しない」
・(プラン28)「見切り発車する」
・(プラン29)「他人の目を気にしない」
・(プラン30)「毎日同じ時間に同じことをする」
みなさんもお気づきかと思いますが、筆者の提案する30個のアクションプランのうち、「移動する」に関連するものは5つしかありません。(★を付けてみました。)これらアクションプランは読者に移動体質を作るためのものであり、それはつまりは私たちの心の中に内在するメンタルブロック体質を払しょくさせるためのものであるので、メンタル面に訴える様々なアクションプランが提案されているのだと感じました。それぞれのアクションプランには詳細の解説が付されておりどれもなるほどなと思うものばかりです。一読をお勧めします。
定年という人生の一つのゴールが見えつつある50代の現役会社員にとって本書に記されている「移動すること」を実行することは非常にハードルの高いものと思います。しかしながら、たとえハードルが高いものだとしても筆者が掲げる「移動すること」の大切さをしっかりと意識しつつ、30のアクションプランを一つ一つ実践することで私たちの目指すべき定年への漠然とした不安感の払しょくにつなげることができるのではないかと感じつつ、本書を読了しました。
斬新な発想であるとともに大変有意義な一冊でした。
本書を読んでやってみる。
①30のアクションプランをノートに書き出す
②「移動体質」を意識した自身の決意をノートに書き留める
③「既に取り組んでいるもの」と「これから取り組むもの」に分類する
④「これから取り組むもの」をいつ実施するか目途感を付ける
⑤アクションプラン実施後に振り返りを行い、感想や気づきをノートに書き留める
⑥毎年年末年始に1年の振り返りと翌年の取り組みへの決意を確認する
⑦①~⑥の取り組みを自分自身の変化を感じる。その変化をメモに残して変化を確かなものにする
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